ボルネオ研修のレポートが届きました

2008年08月11日 12:16  カテゴリ: SSH関連, 校外プログラム

8/2日(土)~6日(水)4泊5日の日程で、2008年度SSH重点枠予算によるボルネオ研修が行われました。そのレポートが半田先生から届いています。最下段に写真があります。(13枚)
生徒の集合写真(7枚)は保護者専用ページからどうぞ。

このプログラムは先に報告しているシンガポールNJCとの共同研究「熱帯温帯の菌類調査」の1項目として計画したものです。参加者は1F加藤有香子、2A細田幸佑・黒岩千尋、2H春田かすみ、3F板野誠也・渡辺輝彦の計6名、引率教員は半田(情報科)、内野(総合学習科)です。以下にこの研修の概要を書きます。

8月2日(土)8:00成田空港集合
10:30成田→16:40クアラルンプール、トランジットの待ち時間に売店でキノコのグミを発見し生徒が喜ぶ(帰りに、SSHクラブのキノコ班への土産として買っていこう、という話になるが、結果として帰路見つけることができず)。18:30クアラルンプール→20:15クチン、空港が思ったより大きく、驚き。
ホテルは、この時期サラワクのイベントがあるとかで、通常のホテルが取れず5つ星になったが、部屋へ行ってびっくり。バスルーム2つ+寝室3つ+トイレ2つ+リビング+ダイニング+キッチンのスイートルームが、教員一人に各1つ、女子生徒に1つ、男子生徒に1つ。この部屋を一人でどう使えといいのでしょう?でも、生徒は大喜び。明日の日程および注意事項をミーティングで伝えて解散。翌日が偶然日曜日で、サンデーマーケットが開催されることを知り、今回は強行日程でクチン見物の時間が取れないことから、明日5:45集合でマーケットへ行くことにする。

8月3日(日)クチンはボルネオ、サラワク州の州都。コロニアルの建物が多く、サラワク川の周囲にゆったりと広がる緑が多い、美しい街である。ホテルの窓から見るその光景は、金色のモスクや王宮、コロニアルの建物、芝生の公園に街路樹と、大変美しく驚いた。東南アジアの街には数多くでかけたが、美しさでは1・2を争うかもしれない。
5:45フロント集合、タクシーに交渉し、6:00~7:00の1時間拘束で35リンギット(1リンギット=35円)にしてもらう。タクシーでサンデーマーケットへ。見慣れない淡水の魚や野菜、果物が珍しい。豚肉もその場で解体して売っている。早朝で薄暗いにも関わらずにぎわっている。1リンギットでモンキーバナナ一房を購入しみんなで試食。野生のキノコも売られているとのことだったが、残念ながら見られなかった。
7:15ホテルで朝食。5つ星だけあって大変おいしい。
8:00セメンゴの野生動物センターでオランウータンリハビリプログラムの見学。結構観光客が多い。ここでは母親にはぐれた子オランウータンを保護し、野生に戻す努力をしている。しかし、我々はオランウータンの餌付けよりも通路わきのキノコやウツボカズラに興味が惹かれた。土を採取し養分を測定している姿に、外国の観光客が注目している。
9:00セメンゴ苗畑センター見学。日曜なのにわざわざ所長が出勤し案内してくれた。今回の研修のコーディネイトをしてくださったInsarツアー社長の酒井さんが通訳をしてくれた。酒井さんは「サラワクの母」と呼ばれている現地の有名人(検索サイトで「サラワクの母」で検索できます)。熱帯雨林が世界的に消滅している中で、ここでは特にフタバガキの苗を育てて植林を進めるとともに、地元に経済的な利益をもたらすと同時に熱帯雨林の再生につながるような努力をしている(HIVの特効薬やリップスティックの油分がフタバガキ科樹木から得られていることをご存知ですか?)。その後、酒井さんの案内で近くの70年もののフタバガキ植林地見学。テツボクという水に沈む唯一の木の世界一大きな木の実や青いカタツムリなどそこかしこに珍しいものばかりである。入口近くに胡椒畑があり、つまんで食べてみる。サラワクの胡椒は、その品質と味において世界一とのこと。胡椒の味の違いと言われても区別がつきませんが。
12:30クチンに戻り、マレー料理レストランで昼食。ここで、クチンでは初めて日本人に会う。大阪と広島の高校生のグループで、イバン族(昔の首狩り族)のロングハウス(高床式の先住民族の共同作業を営む住居。150メートルの長い建物の中で200人位が共同生活をしている)ホームスティプログラムの帰りとのこと。不思議なもので、海外で日本人が多いと「日本人に会いたくない」と思ってしまうが、日本人が全くいない土地では妙にフレンドリーに感じてしまう。教員も生徒も、まるで友達のように話している。
グヌン・カディン国立公園へ行く途中11年物のフタバガキ植林地の見学。70年ものに比べるとさすがに欝蒼とした感じはなく、赤道直下の日が差し込んでくるのでさすがに暑い。
15:00途中で水を確保し、グヌン・カディンのロッジに到着。シャワーは水のみ、もちろんエアコンも売店もない。16:00ラフレシアを見に出発。何箇所か案内されたが運悪くすべて蕾であった。でも、菌類はいろいろチェックできた。また、ヤスデは日本のものと大きさのスケールが違い、生徒が驚いている。K岩さんは大胆にもヤスデを手に載せている。
夕食は、一番近い街まで出て。食べていると虫が天井から落ちてくるし、壁にはヤモリがいっぱい。「こんな環境で食事OKなのは学院生の何%くらいかな?」と生徒たちが話している。ロッジに帰り、翌日の注意事項をミーティングで確認。ミーティング中に始まった熱帯特有の激しいスコールに驚き。その後就寝のはずだったが、部屋は暗いので読書もできない。やることがないので、テラスで何となく生徒達と語りあってしまう。気がついたらスコールもやみ、満天の星。生徒達と星空観賞に出かける。天の川もはっきり。南十字星も見える。流れ星もたくさん。消えないうちに3つ願いを唱えると願いがかなうというが、それはできるはずもない。生徒の一人が「願いは紙に書いておけばいいんだ」と発案。

8月4日(月)街に出てローカル麺の朝食。午前中、公園管理事務所ガイドの案内で、研究用のため未解放のC地区に入れてくれる。歩くのはさすがにハード。光がささず暗いため、撮った写真を後で確認するとほとんど手ぶれしていた。岩は苔むしており、よく滑る。半田は足を滑らせ川に落ちる。ホタルのように発光している巨大なダンゴムシのような毒虫や日本では珍しいチャワンタケ、小さなラン類など、目にするものは珍しいものばかり。ガイドとっておきのラフレシアのある場所へ案内してくれたが、残念ながらそこもまだ蕾だった。
昼食はクチンへ戻ってタイレストランで。ここの料理は大変美味だった。
午後、船に乗りバコ国立公園へ。バコは小さな半島で、海岸べりはマングローブ林、それから乾性低木林、奥に熱帯林といろいろな要素を持っている。船着場から徒歩でロッジまでの途中でオナガザルの群れ。ロッジはグヌン・カディンと同様だが、バコは陸路がなく街へ出られないため簡単なレストランと水の売店が置かれている。ロッジの近くで普通に緑の毒蛇や大きなヒゲイノシシ、オナガザルが出没する。荷物を置いた後、遊歩道沿いに観察。マングローブ林近くで、ボルネオにしかいない絶滅危惧種のテングザルに遭遇。珍しいオレンジのカワセミも発見。でも、さすがに海に近く乾いた環境であるため、菌類のバラエティは乏しい。
夕食後、ナイトウォーク。海岸の細長い貝を背負うヤドカリ、マングローブ林にいるホタル群、マングローブの気根の呼吸音、山地に入ってちょくちょく観察できたボーと青白く光るカビのような物質や夜光タケなどを経験。夜空は満天の星。ミーティング後、生徒たちはまた海岸端を散歩したらしい。

8月5日(火)朝、散歩していたらロッジ近くにたくさんのテングザルが来ている。
朝食後、また山中に入る。しばらく歩くとテーブル状の大きな岩の上に出る。オナガザルがたくさんおり、見るとウツボカズラから水を飲んでいる。多くの種類のウツボカズラやアリ植物、珍しい真っ赤な小さいモウセンゴケを観察。菌類はほとんどない。その後、海岸線に回りマングローブ林へ。ムツゴロウのような魚や青と赤のきれいなシオマネギがたくさん。バコはグヌン・カディンと異なり観光客が多い。マングローブ林のごみの多さに感じるものがあったのか、生徒たちは自発的にゴミを集めていた。
昼食時に他の外国人のグループの食料がサルに奪われるハプニング。その後、船でクチンへ。バコは干満の差が激しく、満潮の時は断崖の岩浜になる。干潮のときは300メートルくらい潮が引き、一面の砂浜になる。このときは干潮で船が付けられず、はるか300メートル離れたところにある船まで荷物を全部背負いながら徒歩で移動。しかも、膝まで海のところをあるくので最後はやけくそになり、ズボンをまくり裸足で。
サラワク森林センターで、菌類・バイオ・地質担当者から講義。多彩なお茶菓子とコーヒーの歓待を受ける。特に地質の先生は熱心で生徒の質問に丁寧に答えていた。この後2時間程度の自由時間を予定していたが、大幅に時間を超過し、それはなしに。ホテルの部屋はまたスィートか?と期待されたが、今度は普通の部屋だった(でも、結構広い)。しかも、スィートと普通の部屋のエレベーターが違うため、荷物を背負いながら大幅に迷う。
夕食は市内のフードコートで海鮮。これが最後のクチンになるので、市内のショッピングセンターで自由行動時間を設ける。生徒たちはスーパーマーケットで変な日本語の表記があるスナック菓子を見つけ、喜んでいる。この後、クチンのシンボルである猫の像の前で(クチンは”猫”という意味で、猫の街である)記念撮影後、ホテルまでの2キロほどの道のりを散歩。10:00ホテル到着後、最後のミーティング。「今回のプログラムの良かった点、改良の余地がある点」を忌憚なく語ってもらう。

8月6日(水)4:45フロント集合。みんな全く寝ていないとのこと。6:00クチン→7:40クアラルンプール、クアラルンプールの免税店でお土産購入の後、11:00クアラルンプール→19:10成田、解散。飛行機では案の定、全員爆睡。クチンからの飛行機では通路側H田君が頭を通路側に出して寝ているので、何度もスチュワーデスに直される。W辺君はスチュワーデスに何度も起こされても、まったく不動である。

今回の研修は、全体予算の都合もあり4泊5日に考えられる限りのメニューを盛り込んだ強行軍でした。赤道直下ということもありますが、熱帯雨林の中は蒸し暑く(でも、帰国してからの本庄の方が暑く感じました)歩く量が多いため、発汗量が膨大でした。当初は選択なしのつもりで日数分衣類を持って行きましたが、午前午後で選択を余儀なくされました。加藤以外の参加者は”場慣れ”しているためか、余裕にスケジュールをこなしていました。こののち、NJCと研究成果を煮詰め、11月初頭の立命館でのISSF、中旬の本学院主催SSH成果報告会で発表することになっています。
このボルネオ研修は日本のSSH校の中でもまれな、スケールの大きいプログラムです。実は、途中、何度か挫折の危機がありました。この実現を可能にした背景には、宇都宮大学大久保先生・京都大学山下先生の親身なアドバイス、大久保先生からのご紹介で様々な研究施設へご配慮いただいた酒井様、そして本学院SSH事務担当の棚橋さんの献身的な作業量があります。この場を借りて、参加生徒教員を代表し心からお礼申し上げます。
このようなプログラムを通して、生徒が成長していく様子を確認することは教師として本当に嬉しいことです。教育には時間もお金もかかりますが、それなりに頑張って作った教育プログラムは科学などの知識獲得という意義以上に、人格形成への教育効果が高いように思います。今回それを感じたのは、何度かあった生徒達と研究の方向を語り合ったとき、バコでそれとなく始まったごみ回収のときでした。通常ならば最終日の夜は「明日は早いのだから早く寝なさい」と叱るのでしょうが、こんな経験をしていると「夜通し語り合うのも君たちのためになるだろう」と妙に生徒を信用してしまう自分がいることに気がつきます。

台湾アイアンマンコンテストのレポートが届きました

2008年08月11日 10:40  カテゴリ: SSH関連, 校外プログラム

亀田陽子先生よりレポートをいただきました。コンテストの内容は以下のとおり。
生徒の集合写真は保護者専用ページでごらんください。

7月20日(日)~26日(土)の日程で、学院生6名(3年青木奨平、久保田雄一、内藤達也、2年藤井智也、1年佐藤葵、山口帝名)と教員2名(半田亨、亀田陽子)で、台湾にて行われた2008 International Intelligent Ironman Creativity Contestに参加しました。
このコンテストは、3日間6人のチームで協力し合い、色々な材料を集め、創造性を働かせて最終課題に沿った一つの作品を仕上げるというものです。創造性と、材料を集める段階での知能や体力が勝負どころとなるコンテストです。本校のこのコンテストへの参加は4回目となりますが、今回参加した生徒は全て初参加でした。事前に、先輩から情報を集めたり、最終課題の検討をつけたりはしましたが、とにかく本番で勝負をかけるつもりで出発をしました。

7/20 11:45に成田空港で集合、16:45には桃園国際空港に到着。到着後すぐに、明道大学スタッフと共に、コンテストの会場となる彰化市の明道大学へバスで向かう。途中のサービスエリアで夕食をとり、皆初の台湾料理を味わい感動。それから1時間ほどで明道大学の寮に到着。大学の応用日本語学科の黄先生と生徒の世話役であるangelたち(明道大学学生)と簡単なミーティング。angelたちも大学で日本語を専攻しているとのこと。四人部屋の部屋では、寝袋をそれぞれ渡され早めに就寝。
▼会場の明道大学メインビルディング
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7/21 International Team参加者全員のOne day trip。日本の他に、Germany、Korea、Singaporeから各1チームずつ参加していた。各国でそれなりの選考を経て選ばれたチームが参加している。大型バスの中では、各国の生徒がお互いの自己紹介をして盛り上がる。嘉義市郊外の焼き物工房で、台湾の伝統陶芸の見学をした後、素焼の人形の絵付け体験。思った以上に時間がかかるが、皆かなりの力作。昼食はここでブッフェ。次に、お線香工場にて線香生地での工作体験。粘土のような線香生地を用いて、学院生は白鳥やブタ、もののけ姫の乙事主(おっことぬし)に至るまで、ここでも様々なCreativityを発揮。コンテストへの期待が更にかかる。夕方からは、明道大学内でコンテストの開会式。Team Waseda(本校のチーム名)は、「紺碧の空」を男子生徒4人が元気良く歌い、女子生徒2人が所属している応援部(チアパート)のperformanceを歌に合わせて披露した。最後の久保田の宙返り一発芸と共に、チームのperformanceは観客に大好評だった。

7/22 7:40~8:00講堂に集められ最終課題の説明。今回の最終課題は、未来の人類へのメッセージを3分間の映像にするというもので、箱やLogoブロックなども映像にうまく組み込む必要がある。8:00コンテスト開始。本日から約3日間、生徒とはしばしのお別れとなる。生徒はコンテストの間、携帯も没収され、外との連絡を全て断った状態で自分たちの力だけで勝負することとなる。生徒を送り出した後、International Teamの教員は9:00から日月潭へのOne day tripへ出発。途中、水里の街で名物芋アイス試食。素朴な味が口いっぱいに広がるアイスだった。その後、玄奘三蔵の仏舎利がある玄奘寺にて、台湾の寺院などについて詳細な説明を受ける。再びバスに乗り、有名な観光名所である日月潭を訪れた。付近の観光土産屋では、ほとんど英語が通じなかったが、半田先生の中国語力のおかげで、パッションフルーツやレモン愛玉(ゼリーのようなもの)などを購入。その後、富豪群渡假民宿という民宿のレストランでフルーツ料理のコースの昼食。大学へ戻った後、学院の教員のみで、タクシーで彰化市へ出向き、コンテスト終了後に生徒を連れて行く場所の下見をした。

7/23 再び教員は9:00集合。古い港町、鹿港へ。鹿港の旧・新天后宮や古市街を散策した後、昼食は名物貝料理のコース。午後は彰化市の八掛山大仏観光。鎌倉の大仏に大きさや形が似ており、彰化市内からもこの丘の上の大仏は良く見える。その後近くの牧場でアイスクリームや牛乳を試食。暑さで牛も参っているようであったが、アイスも牛乳もしっかり濃厚。大学に戻り、お弁当を食べた後、大会本部でコンテストの進行確認。

7/24 午前中は大会本部でコンテスト進行確認。インターネットで、生徒の獲得したVirtual Moneyや、それぞれのactivityでの奮闘状況を確認し、教員二人で精一杯の応援。午後になり、教員は台中市内観光へと出かける。明道大学付近とは違い、近代的なビルの多い台中では、デパートなどでショッピング。夕食は四川料理のhot pot。夜は、台湾名物の夜市にて台湾ナイトライフを満喫。

7/25 8:00にコンテスト終了。疲れて出てくる生徒を出迎えようと探していたが、気付いたら既に寮に戻っていた。慰労の言葉をかけ、全員でメインホールへ。メインホールにて全ての最終課題作品を参加者全員で鑑賞(10:00~13:00)。参加者が学食でブッフェを食べている間に審査結果がまとめられ、14:00~15:00には表彰式。まず、台湾から参加した約30のチームの中から入賞者が表彰され、次にInternational teamsの4チームに台湾の上位チームの4チームが加えられた8チームの中から、International部門として表彰が行われた。日本は入賞を逃したものの、一番難しいタスクが解けたのがTeam Wasedaだけであったことに対し、企業賞(相撲でいうと金星)が与えられた。
▼Team Wasedaの企業賞受賞光景
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15:00~お互いのチームで別れを惜しみつつ、記念写真。17:30~日本チームはタクシーで彰化市へ。22日の下見通りに、有名な猫鼠麺で夕食をとり、台湾独自のスィーツ店芋豆花で台湾スィーツを楽しむ。市内散策などもして、日本チーム全員で生の台湾を肌で体験。

7/26 8:30に明道大学を出発後、桃園空港から帰途につく。

 
 

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