半田先生よりWaseda-NJC Exchange Programmeレポートが届きました。
集合写真は保護者専用ページでごらんください。
学院生10名(2年、朝比奈諒・細田幸佑・黒岩千尋・秋山名穂・宮本愛喜・岩川実央・内田映美・春田かすみ、3年、板野誠也・渡辺輝彦)、教員4名(半田亨、望月真帆、内野郁夫、マシュー・ジョージ)は7月13日~20日の日程で、学術交流姉妹校であるSingapore National Junior College(NJC)が本学院のために開講してくれたWaseda-NJC Exchange Programme(WNEP)へ参加しました。使用言語はすべて英語です。
この10名の生徒は応募した20名の中から提出した課題レポートの結果および先行研究の実績によって選抜されています。この参加は本学院が指定を受けた、2008年度文部科学省指定SSH重点枠計画「熱帯・温帯の菌類の比較研究」の1つであり、予算もここから支出されています。
以下は、そのための事前学習を含めたレポートです。なお、NJCとの今までの交流関係については、杜エクスプレスの2007年版「国際交流」「SSH」か、教員コラム「某男性教諭の、教師失格日記」の過去のエントリーをご覧ください。
5月26日(月)16:00~17:00 テレビ会議システムPolycomによる、NJCとの第1回テレビ会議で顔合わせ。WNEP参加者同士の顔合わせならびに今年の菌類研究方針の確認を行う。Polycomは画像も音声もきれいであり、特に英語によるテレビ会議システムではその効果を発揮する。しかし高価なため、これまでは同キャンパス内のGITSにある施設を借りていた。ことしから重点枠予算によって購入することになり、学院内で手軽に利用することが可能となった。この後日、練馬の高等学院とも双方の生徒会がこれを使ってテレビ会議を行っている。
7月7日(月)16:00~18:00 鹿沼東高校(前宇都宮高校)敦見先生によるバイオテクノロジーについての講義。WNEPでは双方の生徒がバイオテクノロジーに関する講義および実験を3日間受講することが事前に案内されており、そのテキストも送られてきていた。予習のために、かねてより宇都宮高校とのSSH交流で親交のあった敦見先生に講義をお願いした。
7月10日(木)16:00~18:00 宇都宮大学農学部教授大久保先生による熱帯雨林に関する講義。大久保先生はボルネオ島を中心とした熱帯雨林研究の第一人者であり、今回のこの重点枠申請に関しても多くのアドバイスをいただいている。WNEPではBukit Timah Hill自然保護区における菌類およびフタバガキ科樹木の観察が入っており、また8月2日からのボルネオ研修に向けての事前学習のためにお招きした。熱帯・温帯・寒帯という気候区分ができる理由から始まり、熱帯雨林の特徴、熱帯雨林の地球的役割と抱えている環境問題・それへの対応活動、熱帯の菌類研究の視点という内容であったが、珍しい種子や生産物を見ながらの講義は興味深いものであった。
7月13日(日)9:00成田空港集合、11:05成田→17:00シンガポール。NJC側の教員・バディ(学院生一人一人につくお世話役生徒)の出迎えで宿泊先のPrince George’s Park(PGP)へ。ここはNational University of Singapore(NUS)のドミトリーである。チェックインと諸注意を受けた後、ここのホーカーズ(フードコート)式レストランで夕食。簡単なミーティングの後、解散。
▼PGPを中庭から撮影(実際の規模はこのような建物が23棟建っている巨大施設)

7月14日(月)7:00PGPからチャーターバスでNJCへ。ステージ上でアセンブリー(朝礼)参加。国旗掲揚・国歌斉唱・国家スローガンの朗読に学院生はカルチャーショックを受けた模様。その後、学校からの連絡事項、部活動紹介が行われていた。このアセンブリーは毎日行われている。「日本の交流校である早大本庄学院からお客様が来ている」という紹介を受け、板野による英語のスピーチ。その後、NJCのホーカーズ式学食で朝食。いろいろなものがお好み式で食べられることに生徒はびっくり。午前中、Sigma Laboで、NJCから選抜された生徒・学院生徒がシャッフルされ、5チームに分けられた後、バイオテクノロジーに関するレクチャー2つを受講。内容の難しさと英語の速さで、休憩になる度に日本側生徒からため息がもれる。昼食後、環境における酵母成長差に関する実験。NJC側生徒はマイクロピペットなどの実験器具に慣れており、学院生にいろいろ教えている。実験後、科学クイズ大会をして終了。夕方、シンガポール国立博物館見学、オーチャードのショッピングセンターで夕食・ショッピング。半田は生徒に食べさせたいと、ドリアン(しかも最高級品種)とマンゴスチンを購入。PGPへ帰った後、ミーティングで食べさせたら、マンゴスチンは全員おいしいと言うが、ドリアンは全員が一口食べただけでダメ。「せっかく高級品種を購入したのに」とかなりガッカリ。
7月15日(火)7:30PGP→NJC。到着したらアセンブリーを行っており、校門が閉鎖されている。遅刻したと思われる生徒たちも待っており、アセンブリー中は一切学校に入れない模様。終了したら遅刻した子たちは守衛に名前を記入させられていた。学院生が入るとアセンブリーを終えたNJCのバディが待ち受けていた。バディ達と朝食の後、午前中2つのレクチャー、前日の実験結果観察。午後、キムチ・ヤクルト・ヨーグルトの乳酸菌の染色と顕微鏡観察。実験後、科学クイズ大会。夕方、クラークキーでバンジージャンプチャレンジ。春田・宮本・半田は垂直バンジー、秋山・黒岩・岩川・内田・細田は横バンジーにチャレンジ。ビデオ映像の春田がみんなの笑いを誘う。徒歩でクラークキー→ボートキー→ラッフル像→フラトンホテル→マーライオン→エスプラネーダ(通称ドリアン)、ここで遅い夕食。朝比奈がアイス・カチャン事件を起こしみんな爆笑。
7月16日(水)ジョージが早朝に帰国。7:30PGP→NJC。講師から5テーマを与えられ、各チーム毎に1テーマを選び、それについてのプレゼンテーションファイルを作るという課題が与えられる。午前中、PPTファイル作り。様子を見てみると、NJCの生徒の情報スキルは極めて高く、Web検索やPPTへのテキストや画像のコピー&ペーストなどをよどみなく行っている。しかし、スライドを見やすくするための工夫や著作権・資料の質への配慮、デザイン感覚などいくつかの点で学院とは考え方が異なる印象を受けた。昼食後プレゼンテーション。英語で、ということもあり、残念ながら学院生のプレゼンは固く、機械的な棒読みであった。NJCの生徒はオーディエンスと掛け合いをしたり、ボディランゲージを使う余裕があり、総じてうまく、プレゼン教育がしっかりされているという印象を受けた。そんな中、Stem Cellsチームの宮本はホワイトボードを使いながら説明をし、朝比奈はなんとか台本を見ずにプレゼンを行った。私も採点に加わったが、結局この部分の加点が、このチームの1位につながった。終了後、生徒はそれぞれのホストファミリー宅へ。望月・内野がシンガポール到着、合流してNJC教員とともにチャイナタウンで夕食。
7月18日(木)午前:Bukit Timah Hills自然保護区で菌類・フタバガキ科樹木観察。生徒はホストファミリーと現地集合。NJCの生徒たちは指定された観察ポイントのキノコをメジャーや温度計を使い測定し、フォームに記入している。毎週土曜日に同じポイントで計測しているとのこと。自然保護区のため、通路以外は入ることができないのが残念。フタバガキ科高木が多く見られるが、樹冠(キャノピー)がせめぎ合うほど密生しているわけではない。板野と渡辺は持ってきた土壌成分調査キットで調査。昼食は近くの中華料理レストランで。午後、シンガポール微生物研究所BTI(Biotechnorogy Institute)とTiger Beer工場を見学。NJC到着後、生徒はホスト宅へ。教員はNJC教員とホーランド・タウンで夕食。
▼BTI見学

7月19日(金)教員は8:00PGP→NJC。1時限目生徒は2人ずつに分かれNJCの授業参加。教員は情報教員Kieth氏の授業見学。その後、Sigma LaboでNJC生徒による今後の研究に関するプレゼンテーションを聞いた後、両校によるこの後の研究方向に関するディスカッション。結局、時間が足らず夕方PGPで再開することになる。バスでサイエンスパークへ。サイエンスパークはお台場にある科学未来館のような小~高校生向けの体験型科学学習施設である。ここのマグドナルドで昼食。入場後、特別展示「Water World」と全方位型映画館で水不足問題に関する映画を見た後自由見学。17:30PGP到着。18:00から午前のディスカッションの続き。これが白熱し、研究方向に関して深い議論となった。結局、PGPのレストランが21:30閉店のため、後はメールやPolycomで確認することとし21:00で打ち切った。この様子を望月は「英語のコミュニケーションがうまくいかなくても、引かずに、同時に相手を思いやりながら、双方のいい研究に向けて双方が考えをはっきり主張した素晴らしい議論でした。」と讃えている。板野と渡辺とはこの一連のプログラムでずっと一緒であるが、この1年半の間で本当に成長したと思う。夕食後、10:00から反省会。生徒一人一人にこのプログラムに対する意見や得たもの、自分にとってプラスになったものなど忌憚なく語ってもらう。「英語力のなさを痛感した」という意見は全員であるが、「実験の目的や総括がなく、中途半端という印象を受けた」「我々が(英語力がないため)理解できないにしろ、当初の計画のレクチャーは全部講義してほしかった。するとこのプログラムの全体が見えただろう。」などという意見も飛び交う。「さすが学院生は一味違う」と思うのはこういうときで、しっかり客観的な批判をする姿勢を持っている。このような意見がプログラムをもっと向上させていく。
7月20日(土)半田は早朝に帰国。これ以降は不在のため、スケジュールのみ。
午前:Sungei Buroh 湿原保護区で湿原生物の観察
午後:Vivo Cityで自由行動
夜:June先生宅でNJC生徒とBBQ Farewell Partyおよびお茶会
7月21日(日)5:45PGP→チャンギ国際空港8:10→成田空港16:30、解散
以上、簡単にこの間の様子を書きました。
この間、シンガポール内の移動交通費、宿泊費、食事代はすべてNJC側が負担してくれました。いかに姉妹校とはいえ、本庄学院だけのためにこのようなプログラムを実施してくれるだけでもNJCには本当に負担であり、こちらとしてはたいへんありがたいことですが、その上衣食住すべてにおいてカバーしてくれることは破格の待遇といえます。加えて、Workshop終了後も本当は当初の計画にはなかったバンジーやマーライオンなどのamusementを生徒のために加えてくれました。Cheng校長、計画当事者であるJune先生をはじめ、関わってくださったNJCの諸先生および生徒諸君に対し、参加生徒・教員を代表し心から御礼申し上げます。
また、今回の参加に際し、NJC側生徒に日本文化の一端を見せたいという生徒の意思を汲んで、快くお茶道具を提供くださいました裏千家茶道師範の武正先生にも心よりお礼申し上げます。
生徒の意見にあるように、前半のWorkshopやBukit Timah Hillにおける菌類観察は(恐らく日本側の英語理解力や進行、あるいは時間など)諸々の都合から中途半端に終わった印象があることも確かです。しかし、全体として見れば、両校の生徒にかける期待とNJCのhospitalityに包まれながらの、このタイトで濃密だった1週間は参加した両校の生徒に大きな成長を与えるものと確信しています。
参加生徒の中の5名(板野・渡辺・春田・黒岩・細田)+1名(1F加藤有香子)は8/2~6の日程で、今度はボルネオ島サラワクの熱帯雨林において菌類とフタバガキ科樹木の観察研究を実施します。この一連の流れは2008年SSH重点枠予算によるものですが、小笠原研修などと並ぶ本庄学院らしい、極めてダイナミックなフィールドワークです。
その後、NJC側とPolycomによるテレビ会議で研究のすり合わせをしながら10月末に立命館大学で行われるInternational Student Science Fair 2008で共同プレゼンテーションおよびポスターセッションを行います。どうか、保護者の皆様はこの一連の生徒の活動をご注目ください。